腰の真ん中・おしりやももの付け根が痛い原因は、腰椎ヘルニアだと思っていませんか?

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たいかん鍼灸治療院 院長小林祐一です。

腰痛を訴えて受診される患者様の中に腰というよりは、おしりや太ももの外側の痛み、鼠径部の痛みを訴える方が多くいらっしゃいます。

このような患者様には、『仙腸関節障害(仙腸関節炎)』を疑う必要があります。

・長い時間椅子に座れない

・仰向けに寝れない

・痛いほうを下にして寝れない

・歩行開始時に痛みがあるが徐々に楽になる

一つでも該当する方は、ぜひ最後までご覧下さい。

仙腸関節障害(せんちょうかんせつしょうがい)とは?

仙腸関節とは、背骨の基部にある仙骨と骨盤を形成する腸骨で作られた関節です。

仙腸関節は、骨盤より上にある上半身の重みを骨盤に伝える部分であるため、複数の靭帯によって非常に強く固められ、動きの少ない関節と言われております。

中腰での作業や繰り返しの負荷など何かしらの原因で仙腸関節を損傷してしまうと、仙腸関節周囲に痛みを認める場合があります。これが仙腸関節障害です。

仙腸関節障害は決して稀ではありません。

一般的に、出産後の腰痛に仙腸関節障害が多いといわれますが、老若男女を問わず腰痛の原因となります(表)。

どのような症状がありますか?

梨状筋症候群 坐骨神経痛

片側の腰臀部痛、下肢痛が多くみられます。

ぎっくり腰のような急性腰痛の一部は、仙腸関節の捻挫が原因と考えられます。

仙腸関節の捻じれが解除されないまま続くと慢性腰痛の原因にもなります。

仙腸関節障害で訴えられる“腰痛”の部位は、仙腸関節を中心とした痛みが一般的ですが、

・臀部(でんぶ・おしり)

・鼠径部(そけいぶ・あしの付け根)

・下肢(かし・あし)

などにも痛みを生じることがあります。

仙腸関節障害の特徴的な症状

坐骨神経痛 梨状筋症候群

〇長い時間椅子に座れない

〇仰向けに寝れない

〇痛いほうを下にして寝れない

〇痛みの箇所を指させる

という症状が特徴的で、歩行開始時に痛みがあるが徐々に楽になる、正坐は大丈夫という患者さんが多くいらっしゃいます。

仙腸関節障害の治療はどのようにするのですか?

浜松たいかん鍼灸治療院施術写真

安静、鎮痛剤(痛みどめ)、骨盤ゴムベルトといった保存的治療がまず行われます。

骨盤ゴムベルトでは前締め、後締めを試し、疼痛が軽減される方を選択しますが、経過によって変わっていくこともあります。

骨盤ゴムベルトは、仙腸関節の微小な不適合の発生を抑える効果があり、仕事復帰時などの再発予防にも使えます。

痛みが軽減してきたタイミングで、運動療法(リハビリ)による仙腸関節や股関節筋群のストレッチを実施していきます。

まとめ

デスクワーク 腰痛 左側

① 臀部痛と大腿部痛や鼠径部痛を認めた場合、仙腸関節障害を疑う

② 痛みの箇所が明確、仙腸関節を圧迫すると痛みが誘発されるのが特徴

③ 治療には、仙腸関節部の安静を確保するために骨盤ベルトなどで固定する

出産後の腰痛に仙腸関節障害が多いといわれ、老若男女を問わず腰痛の原因となる

⑤ 腰椎の可動性低下や股関節筋群の拘縮が原因の可能性もあるため、運動療法(リハビリ)による介入も検討する

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